今朝

息子を自転車で幼稚園まで送り、家の玄関でびしょびしょになったレインコートを脱いでいた。
今日の雨は一段とすごかったなぁ…そう思いながら帽子に付いたしずくをはらっていると、足元の黒い物体が視界に入った。

「……ふぎゃあああぁぁーーーーっ!!」

手に持っていたレインコートと帽子を壁にぶちまけ、長靴をはいたまま廊下に飛び上った。
私の乱れる呼吸とは裏腹に、ヤツは玄関の冷たい床に静かに佇んでいた。
心を落ち着かせる暇はない。戦いはもう始まっているのだ。
急いで2階に上り、洗面所にある武器とリビングにある携帯を取り、再度玄関へと向かった。

ヤツは私の戦意に気付いているのか否か、息をひそめ同じ場所にじっと待機していた。
独りで戦うのは辛いもの。
友に力を借りようと、心の支えを求め、旦那に電話をかけた。

「お客様のお掛けになった電話番号は、現在電源が切られているか電波の届……」

……おぉぉいい。生放送出てる場合じゃないっつーの。
今の我が家は七番勝負以上に切羽詰まっているっつーの。

「おしっ」

意を決してヤツに向かって噴射し、手早くもう一つの武器の泡で固めた。
後は旦那が帰ってきて片付けてくれるのを待つだけ。

あぁ…、こんなに旦那が恋しい日は初めてだ。
by inaw | 2009-06-24 11:08
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