どうぶつしょうぎを検討していた旦那が言った。
旦那 「んー…少し物足りないなぁ」
私 「君は棋士でしょうが。それ、子供向けなんだから」
旦那 「そうなんだけど」
私 「そう思う人は本将棋をやればいいんだよ」
旦那 「でもどうぶつしょうぎと本将棋の差が大き過ぎでしょ」
私 「その中間があればいいと」
旦那 「そうね。6×6くらいの」
分かった。
新しい将棋を作ろう。
『家族将棋』(どどーんっ)
家族将棋の新しいところは購入者によって駒の名称が異なること。
例えば戸辺くんがこの駒を購入する。
『王将』→『父』
『金将』→『母』『長男』(戸辺くん)
『銀将』→『次男』『三男』
『桂馬』→『四男』『長女』
『歩兵』→『戸辺米』
かかあ天下の家族は『王将』→『母』になるだろうし、自分の家族構成に合わせて駒の名前を変えるのだ。
一人暮らしをしている人は『王将』を自分にし、隣に並べる『金将』を職場の気になるあの子の名前にすればいい。
ただ、うっかりその駒を職場に持って行ってしまうと変態扱いされるので気をつけなくてはならない。
ある升目に進むと突然女の子が生まれたり、油田を発見したりと、嬉し懐かし人生ゲーム気分も味わえる。
どうぶつしょうぎに続いてこの家族将棋は大ヒットし、来年の天童での将棋祭りでは人間将棋に変わってこの家族将棋が指されることになるかもしれない。
『王将』の旦那。
「村は『飛車』じゃなくて『銀』でいいよ。この間の東京競馬場でも俺の送った地図忘れてきたから」
「戸辺は意外としっかりしているから『桂』」
「天彦は買い物ばっか行ってるから『歩』」
など指し手の人間模様が垣間見れるのだ。
というわけで家族将棋、誰かよろしく。