ザリガニ

小さい頃、家でザリガニを飼っていた。
玄関に水槽を置いていたのだが、ある朝、一匹いなくなっていた。
必死に探すのだが見つからず、学校へ行くに行けない。
半べそ状態な私をよそに、兄は自分だけ出掛けようとする。
「一緒に探してよぉ…」と言っても「いやだ」の一言。
と、靴を履こうとした兄が突然飛び跳ねた。
兄の靴の中にザリガニが隠れていたのだ。
いいぞザリガニ。ナイスザリガニ。

私はいつも動物図鑑を眺めていた。
「生き物のことだったら伊奈に聞け」と言われてたとか言われてないとか。
小学校で飼っていたうさぎに水をあげてはいけないと言われ続けていたが、それが間違いだと指摘したのはこの私。
日曜日にうさぎにエサをあげに行ったが小屋の鍵を忘れ、木の棒を鍵穴に差し込んで鍵を壊し、月曜日に騒ぎになったあの時の犯人もこの私。
 
家ではザリガニ以外にハムスターのオスを1匹飼っていた。
友人がハムスターのメス2匹を飼っており、彼女が旅行に行く時にあずかった。
みんな仲良く遊ぶんだぞー、と3匹を部屋に放した。
友人にハムスターを返した数日後、メス2匹は大量の子供を産んだ。

友人が鳥を4羽飼っていた。
うらやましくて親にねだり、我が家でも1羽飼うことになった。
その後、友人のお父さんがアレルギーになり、4羽を引き取ることに。
鳥、1羽から一気に5羽へ。
私のせまい部屋は鳥かご5個とハムスターのかご3個(子供2匹引き取る)に占領される。
どこかの実験室のような部屋に、昼はピーピー夜はガラゴロ、一日中音が鳴り響いた。

犬(むさし。通称むーさん)や金魚(数々の病気を克服し大往生)やタニシ(ザリガニに食べられる)なども飼っていた。
私が産まれる前にはカラーひよこやおたまじゃくしも飼っていたらしい。
生き物なんだから死ぬことも当然あるのに、なぜかみんな長生きし、我が家は大変なことになっていた。

今。
神経質で潔癖症の旦那と息子にはさまれ、虫一匹家にいれられない。

今度はザリガニを取りに網を持って行こうね。
by inaw | 2009-05-04 04:55
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