「はい。何か作って」
旦那に粘土を渡すと困った顔をした。
描いたり作ったりするのが苦手なのだ。
粘土を手のひらでつぶして平らにし、そこにつまようじで顔を描いた。
「それじゃあ紙に絵を描くのと一緒じゃないの。立体作ってよ」
注文を出すと苦虫をつぶしたような顔をした。
宙をながめ少考した後、「あぁ、分かった分かった」と手を動かし始めた。
作ったものをこわして丸め、手のひらでつぶして平らにし、そこにつまようじで顔を描いた。
「いやいやいや。これじゃあさっきと同じだから」
自分でもそう思ったのか、苦笑いをしながらまた丸めた。
そして手のひらでつぶして平らにし、そこにつまよ……も、もういいよ…できないんだね…。
どうやらアンパンマン号もジャムおじさんが作ったようです。