『面接1週間前』
買ってきたスーツを旦那の前で着る。
おそるおそる「どう?」と尋ねてみる。
「重厚感なし」
「いかにも新米ママ」
と言われ、しまいには「その眼鏡うさんくさい」とスーツと関係のないところまでけなされる。
反論しようにも、その通りなので何も言えない。
『面接当日』
直前に保護者控え室で脳内面接を行い準備万端。
「お子さんはどんな性格ですか?」
「…………あ、あああ明るいです」
最も基本的な質問にうろたえ、散々悩んだあげく、親でなくとも答えられそうな事を言う。
巨大な後悔の波に襲われ、早くも脳内反省会が始まっている私の横で質問にテキパキ答える息子。
で、気付いたら合格していた。
『面接終了』
家に着くと息子は早速両方の祖父母に自分で電話を掛けていた。
「あのね、おめでとう、ようちえんだよ」