10代も後半になった頃のこと。
ある冬の日。寝ていると、足が熱くて目が覚めた。
どうやら私は居間のこたつの中で、寝ているらしい。
私はその日は自分の部屋のベッドできちんと寝た。
おそらく夜に寒くてベッドから抜け出し、階段を降りて、
居間に行き、こたつのスイッチを入れて、こたつに潜り込んだようだ。
夢遊病時は視覚や聴覚だけでなく、触覚もはっきりしていることに、我が事ながら感心した。
目覚まし時計を止めるなんてことは、当たり前だった。
「遅刻してすみません。夢遊病で」なんてネタのようなことを、私は地でやることになった。
寝ている私が友人と遊ぶ約束をし、起きている私が約束をすっぽかし、
人間関係にヒビが入ることもあった。
20代を過ぎてからは症状は出なくなった。というか出ていないはず。
旦那も息子ものび太並みの睡眠力なので誰も気付かないだけ。なんてことはきっとないはずだ。