生きていると選択を迫られる状況が、幾度となく訪れる。
そのほとんどを間違ってきたんじゃないのかってくらいの自分だが、
一度だけ神に導かれるように正しい選択をしたことがある。
築何年だか分からないぼろアパートで、一人暮らしをしていた時のこと。
いつものように台所にゴ◯◯◯が出て、一戦を交えた後、その日は敵を逃してしまった。
仕留められなかったことを激しく後悔しながら、不安な夜を過ごした。
翌朝。ふと玄関にあるスニーカーの汚れが目についた。
数日前に海に行き、汚れていたのだ。
いいかげん洗わなきゃな。
スニーカーを台所に運び、水に浸けると、
哀れな姿となった◯◯◯◯がぷかりと浮いてきた。
うぎゃぁぁああああああ!!!!
目を覆いながら必死にスニーカーをつまみ、◯◯◯◯をそのままトイレに流した。
じゃーっという音を聞きながら、何故自分はスニーカーを今日洗おうとしたのだろう…。
もしスニーカーを洗わなかったら…と考えると身震いがした。