ムーさんは私の母によくなついていた。

ある時、母が腰が痛い。背中を踏んで欲しい。と私に言った。
うつぶせに横たわる母の上を、私は足で踏んだ。

突如「がるっ!!」とムーさんが私に噛み付いてきた。
倒れている母を私がいじめていると勘違いしたらしい。

私だって飼い主なのに…このやろ…と「くわっ」と威嚇すると、
「がるるる…」と向こうは八重歯をむき出し、戦う気満々だった。

今思うと当時のムーさんと末っ子の私は、家の中の最下位をお互いなすりつけ合う、犬猿の仲だった。
by inaw | 2013-06-22 13:41
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