2013年 07月 07日 ( 1 )

エッセイ8

旦那の部屋には、大きな本棚がある。

そこに仕事の本は申し訳程度に置かれ、本棚のほとんどが漫画で占められていた。
『ドラゴンボール』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』など、
男兄弟の中で育った私にも懐かしい漫画が並べられていた。

もちろん読んだことのない漫画も並べられている。
私はその中から『マキバオー』を読んでみることにした。

『マキバオー』は私が子供の頃にアニメで放映されていたので知っていたのだが、
登場人物がなぜか全裸なことに抵抗を感じ、見たことがなかった。

期待をせずに読み始めた『マキバオー』。
しかし予想以上におもしろく、私は夜ごと布団から顔を出して夢中になった。

「ねぇ、僕にも読んでよ」

息子がせがんできた。
絵本の読み聞かせをするように、私は心をこめて朗読をした。
マキバオーは母であるミドリコと離ればなれになった。
マキバオーになりきった私は、嗚咽をあげながら母の名を呼んだ。

「おかぁちゃん!!」

肩を震わせ泣く私の顔を、息子は気色悪そうにのぞいた。
by inaw | 2013-07-07 06:42