2013年 07月 06日 ( 1 )

エッセイ7

ある日。旦那がパソコンの画面を指さして言った。

「おもしろいゲームがあるんだけど」

そこにはCGで作られた競走馬が、本物のレースさながら本馬場入場していた。
リーゼントを頭に生やした馬に暴走族が騎乗していたり、
胴体が通常の2倍はあるリムジン種がいたりと、どう見てもふざけたゲームなのだが、
これが正真正銘JRA公式ゲームだった。

私はこれにはまった。
段ボールでできた馬「ハリボテエレジー」(単勝125倍)が勝つ姿を拝むため、
連日パソコンの前に正座した。

ハリボテ人気は我が家だけにとどまらず、世間を賑わした。
遂にはハリボテフィギュアが登場。
しかも東京競馬場にて無料で配られると言う。

配布日。長蛇の列を予想した私は早起きをし、息子の手を引っぱって競馬場へ向かた。
頼りの旦那はタイミング悪く出張中。
競馬場に慣れていない私は、東京ドーム28個分というその広大な敷地をぐるぐると歩き回った。

係員の人に何度も尋ねながら、なんとか配布場所に辿り着く。
と同時に目に飛び込んできたのは、黒山の人だかり。さすがハリボテ!!
……と思いきや、それは何かに並んでいる別の列だった。

ハリボテの列には誰ひとり並んでいなかった。
念願のハリボテをあっさり手に入れて満足した私は、レースは見ずに、そのまま競馬場を後にした。

ハリボテは今も私のパソコンの横に大事に置かれている。
by inaw | 2013-07-06 07:12